悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~

◇◇◇



「…………宇佐美、これどんな生徒が落としたんだ?」

「え?」


授業が終わり早速拾った茶封筒を担任の先生に届けると、中を確認された後、何やら神妙な顔で尋ねられ、私は一瞬目が点になる。

「……あ、えっと……確か髪は黒色で身長は平均的で、目が細かったような気がします」

一先ず、一時間前の記憶を掘り起こしてみるもこれといった印象がなく。

黒髪男子はこの学校では珍しい方なので特徴になるかもしれないけど、それ以外はあまりパッとせず、先生は再び渋い顔をしてしまった。

「あの、それってそんなにまずいものなんですか?」

「いや、何でもない。お前は気にするな。もし落とした生徒が分かったら直ぐに教えてくれ」

まさかこの茶封筒一つでここまで深刻な雰囲気になるとは思いもよらず。
恐る恐る尋ねてみても、先生は私の質問に答えようとせず、そう言い残すと足早に職員室の奥へと行ってしまった。

一体あの封筒の中には何が入っていたのか。
こんなことになるなら中身を確認すればよかったかな……。

そんな考えがふと過ったけど、このまま何も知らない方がいいような気がして。

とりあえず目的は果たしたので、私は職員室を出てから教室に戻ろうと踵を返した時だった。

「あっ!」

目の前にはあの男子生徒が立っていて、思わず声をあげてしまった。


__その次の瞬間。

突如腕を掴まれ、そのまま教室とは反対方向に無理矢理引き摺られる。

「ちょっと何なんですか!?離してください!てか、あなたが落とした封筒さっき先生に届けましたけど!?」

なぜ急に連行されているのか意味が分からず抵抗を試みるも、男子生徒の手はびくともせず、どんどんと人気がない通路へと引き連れていく。


一体私が何をしたというのだろう。

いくら問いかけてみても男子生徒は一向に口を開こうとせず、状況が全く理解出来ないまま恐怖がどんどんと募っていく。

そして、誰もいない空き教室に押し込められた途端、背後から何者かに口を塞がれ、激しく抵抗する。

けど、強い力で体を押さえつけられてしまい、徐々に体力が消耗していく中、段々と意識が朦朧とし始め、いつの間にか記憶がプツリと途絶えてしまった。