敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「庇って怪我したときは幼馴染だってチーフは言ってたけど嘘だった」

「え?」

「本当は祖父母の決めた許嫁だったらしい」

「小西さん、それチーフに聞いたんですか?」

「まさか、常務に聞いたの」

 常務は小西さんの伯父さんなのだ。

「だから、単刀直入にチーフへ聞いてみた」

「えー!」

 相変わらずすごい。いや、こちらとしては助かることもあるけれども……。

「結婚しないって前から断ってるんだって言ってた。でも……」

「でも?」

「事件から大分経つのに、まだ諦めてくれないと言っていた」

「なるほど、それで縁談をお父様が出資を絡めて持ち出したということですか」

「そういうこと……。チーフは今社長から結婚を打診されてるみたい。卑怯だよね、出資とかさ……」

 やはり、チーフは結婚する気がなかったのだ。

「だからさ、もし困っているなら私が彼女になりますよって言ったの」

「小西さん!」

「私も今年35になるからね。結婚はともかく子供だけは欲しいのよ」

「……は?いや、それってどういう……」

「はは……おんなじ顔してる……チーフもそういう顔をしたよ」