敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「でも、じいじから奈美の許嫁は透君で、いつか結婚するんだよと言われてきたから大丈夫」

 じいじって……お嬢様は真っすぐが過ぎる。どうやって育てるとこんな風に無菌培養されるんだろう。

「信じていたし、好きだったし、他の人なんて考えられないし……」

「チーフは縁談を断ってないんですか?あ、ごめんなさい」

「三年前も断られました。でも私、透君以外の他の男の人は嫌なの」

「はぁ……」

 可愛いストーカーかもしれない。チーフが強く出られない気持ちもわかる。

 これは変にやると、まずい方向へ行きかねない。

「お父様に会社経由でお願いしてもらったの。これが最後って約束で……」

「そうだったんですね。スポンサーの件ですよね」

「スポ……?何だかわからないけど、それかもしれないです」

「はぁ……」

「そうしたら、おばさまから透君は彼女がいるって聞いて、この名刺をもらったの」

 雪の名刺を見せた。やっぱりそういうことだった。

 雪は思い切って彼女に言った。

「一度、きちんと彼と話し合うべきだと思います」