敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 小西サブリーダーには誤解されるし、周囲にはいじられるし、最悪だった。

 部長は仕事を理由に呼び出されている雪に、この際押しかけ女房も悪くないぞとけしかけてきた。

 そういうんじゃないのに絶対勘違いしていた。すぐに否定した。

 ところが周りも大きな勘違いをしていて、ひとしきりしばらくいじられた。

 あの時は本当にひどい目に遭った。

 それなのに、いつの間にかチーフに片思いをするようになった。

 この空気のような距離感がいけなかった。

 そのせいで、余計なものを見たり、聞いたりして、恋心は無駄だと三年前に悟った。

「そういう問題じゃありませんからね!本当にチーフは私を利用しすぎです。ひどすぎます……」

「泣くほど俺と離れたくなかったくせに」

「……!それは、その……」

 雪は流し目でこちらを見つめる彼に息を呑んだ。
 
「怪我も悪くない。あの佐山が俺の側にいたいって泣いた。これからもっとそういうところを見せろよ」

「何を言ってるんですか!」

「ま、お互いこれが終われば丸裸だな」

「裸って何言ってるんですか?」