響け!涙のペザンテ

「私も協力します。絶対に犯人を見つけましょう。まだ何か手がかりはあるはずです」

レオンハルトはそうギルベルトに言い、遺体のある裏路地へと戻ろうと背を向ける。その時、レオンハルトは自身の指先が震えていることに気付いた。

(私は何故、恐怖を感じているんだろう?)

あの警察官の遺体を目にした瞬間、レオンハルトの体に寒気が走った。探偵として、様々な事件現場を目撃してきた。ギルベルトに協力した際は、ほとんどが殺人事件である。遺体を目にするのは初めてではない。しかしーーー。

(恐怖を感じたのは初めてだ)

ドクドクと心臓が嫌な音を立てる。探偵の勘が警告をしていた。ーーーこの事件は、裏に大きな危険が潜んでいると。



同じ頃、リズ・ポッターは探偵社へと急ぎ足で向かっていた。カナタと共に出社したものの、レオンハルトがギルベルトと共に事件現場へ行った直後、家に忘れ物をしたことを思い出したのだ。

「持ち帰った書類、忘れてしまったので取りに戻ります」