響け!涙のペザンテ

ギルベルトが考え込む。レオンハルトも遺体の様子を観察した。若き警察官は無慈悲に命を奪われた。その苦痛に満ちた表情と、すでに光のない瞳が、警察官の無念をこちらに伝えているように思える。

(武術の心得がある警察官を殺害するとは……。不意打ちでやられたのか……)

レオンハルトは手袋をし、遺体に触れる。その時、彼の目が見開かれた。遺体から魔力を感じた。レオンハルトはギルベルトに訊ねる。

「ワーグナー刑事。この警察官は魔法使いでしたか?」

ギルベルトは手帳を捲り、首を横に振った。

「いや。この警察官は異能力者だ。対象物を自由自在に動かせる異能を持っていたようだな」

「異能力者……」

異能力者は当然魔法は使えない。ということは、警察官の体に残った魔力は彼を殺した犯人のものということになる。

「ワーグナー刑事。警察官の体から魔力反応がありました」

「つまり、この警察官を殺害したのは魔女か魔法使いということか!」