響け!涙のペザンテ

レオンハルト・ジッキンゲンの姿はとある裏路地にあった。彼の隣には刑事であるギルベルト・ワーグナーがいる。

「……これは酷いな」

ギルベルトの言葉に対し、レオンハルトは「そうですね」と頷く。二人の目の前には若い男性警察官の遺体が横たわっていた。

探偵事務所に別の事件について相談していたギルベルトの元に、「警察官が倒れている」と通報の連絡が入ったのは数十分前のこと。レオンハルトもその一報に胸が騒つくのを覚え、ギルベルトと共に現場に駆け付けたのである。

「これは明らかに他殺だな」

ギルベルトが遺体の様子を観察して言う。遺体の腹部には大きな切り傷があり、警察官の周りにはおびただしい量の血が流れている。レオンハルトも頷いた。

「この傷の深さや大きさから見て、十センチから二十センチほどの中型のナイフですね。しかも、人の急所を的確に斬り付けている」

「犯人は相当な手慣れか……。プロの殺し屋か?」