嘘から始まる恋煩い!

海里センパイ………、私、どうすればいいですかね?
私が困っているのを察したのか、世那はすぐに話題を変えた。
「そういえば姉ちゃん、キャナダってさ………。」

普段なら何も思わないその行動に、私はなぜか無性に胸の中の荒がりを感じた。
………やめてよ、世那。そんな腫れ物みたいな扱いしないで。
私がこんな対応をされるのは、もう慣れてるんだから………。
世那には、世那にだけには、そんな態度とってほしくないよ。
変に遠慮しないでほしい。遠慮されるってことは、一周回って現実を突きつけられるのと同じだ。

って、ダメだってば。何考えてるんだろ、私。
最近考えたくないこと思っちゃうこと多いなぁ……、なんでだろう?
やっぱり原因は、昨日の夜寝る前に言われた言葉なのかな。
気にしないようにしてきた、わざと考えないようにしていた。
だけど世那は、あっという間に私の心の壁を破ってあの質問を聞いてきたんだ。


………ねぇ世那、こんなダメなお姉ちゃんでごめんね。
でも正直、私は今日親が来なくて正解だったなって思うよ。
だって親が来ても、彼らが私と1週間離れることを惜しまないことなんて決まってる。むしろ1週間世那だけと過ごせてラッキーだろう。あの人たちはそういう人だから。

私は世那と表面でだけ会話を交わしながら、心の底ではひどいことを考えていた。
それはバスに乗ってからも変わらなくて。
「おれのでよければ貸すよ、肩。向こうでぐったりしないように今のうちにしっかり寝てね」と言ってくれた優しい弟の言葉に胸を痛めながら、私は目をつぶった。

…………いつかこのどうしようもない想いと過去が、自然と浄化されることを願って。