私が無言で何も答えない………いや、答えられないことを悟った世那は、ハッとした顔を見せた。
「………ううん、やっぱ何でもない。変なこと聞いてごめん、姉ちゃん。」
何かを言いかけた世那は、その後取り繕うように笑って、私の体を引き寄せた。
世那の腕に抱きしめられたまま、私はさっきの世那の言葉を復唱する。
私が、この家から離れられて嬉しいか………っていうことだよね?
それは…………。
心のどこかでふと、考えてはいけないような思考がよぎる。
それはまるで、心の隅からドロリと黒い何かが姿を現すみたいだった。
私は慌ててその想いに蓋をして、首を横に振った。
ダメダメ、美亜。こんなこと考えたら、明日から楽しめなくなっちゃう。
「姉ちゃん、おやすみ。」
「うん、おやすみ…………世那。」
世那の腕はいつもよりキツく、なかなか離れない。
たぶん、明日からのしばしの別れの寂しさを埋めようとしているんだろう。
この「家」から離れられるのはちょっと嬉しいけど…………。
世那と離れるのは、私も寂しいよ。
心の中でそう呟きながら、私は徐々に意識を眠りの底に沈めていった…………。
「姉ちゃん、おれ、そろそろ限界だよ…………。」
そんな声は、誰に届くことなく、静かに宵闇に溶けていた。
「………ううん、やっぱ何でもない。変なこと聞いてごめん、姉ちゃん。」
何かを言いかけた世那は、その後取り繕うように笑って、私の体を引き寄せた。
世那の腕に抱きしめられたまま、私はさっきの世那の言葉を復唱する。
私が、この家から離れられて嬉しいか………っていうことだよね?
それは…………。
心のどこかでふと、考えてはいけないような思考がよぎる。
それはまるで、心の隅からドロリと黒い何かが姿を現すみたいだった。
私は慌ててその想いに蓋をして、首を横に振った。
ダメダメ、美亜。こんなこと考えたら、明日から楽しめなくなっちゃう。
「姉ちゃん、おやすみ。」
「うん、おやすみ…………世那。」
世那の腕はいつもよりキツく、なかなか離れない。
たぶん、明日からのしばしの別れの寂しさを埋めようとしているんだろう。
この「家」から離れられるのはちょっと嬉しいけど…………。
世那と離れるのは、私も寂しいよ。
心の中でそう呟きながら、私は徐々に意識を眠りの底に沈めていった…………。
「姉ちゃん、おれ、そろそろ限界だよ…………。」
そんな声は、誰に届くことなく、静かに宵闇に溶けていた。


