嘘から始まる恋煩い!

「元同じクラスの五十嵐って人。知ってる?」
「あぁ〜、あの人ね。確かにあの人もイイかもしれないけどさぁ。はぁ、桐山かわいそうに………。」
「……清羅って今の口ぶりからでなんとなくわかるけど、結構桐山のこと気に入ってるよね?なんで?」
「うん?わたしの誘いに乗らなかったからだよ。」
今の会話をしていて思ったことを、そのまま聞くと、清羅はいとも簡単なことだと言うように答えた。

「桐山と初めて話したとき、『うわぁ、すっごいイケメン!次の彼氏候補にしようかな〜?』みたいな気分で話しかけたの。だけど、笑顔でバッサリ切られてさ。悲しそうな顔して理由聞いてみたら、好きな人がいるからって。それが美亜よ。」
「そ、そんなことが…………。」
なんだろう、すっごい清羅らしいな。
清羅はこんなに遊んでるだけあって、やっぱり美人だ。
腰まである黒い艶のあるストレートの髪。いつも手入れを欠かしてないらしい。なんでも、今までの歴代彼氏たちはこの髪を気に入っていた、からだそうだ。
それに、もともとタレ目がちで下がっている目尻は、どこか困っている印象を放っているし、リップグロスが塗られた唇は、それはもう綺麗な紅色。色気しか感じないし、女の私でも大人っぽいなと思う。
そんな清羅の必殺男落とし技を、桐山が軽々とスルーした、だなんて…………。