嘘から始まる恋煩い!

たぶん、こんな取りやすそうな位置にあるけれど、この機械はそんな簡単に取らせるようにできていない。
もしすぐに取れるなら、ゲーセンの経済は赤字なはず。
………って、オレは社会の裏事情を考えたいわけじゃないんだった。
残り時間は25秒、さっさと考えないと。
で、美亜がやろうとしていたけれどこのタグを掴める可能性はほぼ低い。ピンポイントで狙ってもずれそうだし、狙う価値はない。
美亜が胴体を掴んで取り落としたってことは、頭の方が重いのか?
ただ頭を引っ掴んでもアームの弱さで取り落としちゃうから…………。
オレは考えて、アームをある地点まで動かした。
そのまま迷いなくボタンを押して、アームが降下するのをじっと見つめた。
さっきまでしょげていた美亜も、ガラスケースにぴったりはりつくように様子を眺めていた。
頼む、うまくいってくれ………!
ガラにもなくゲームで本気になっているオレは、それほど美亜に夢中ってことだろう。
美亜のためなら、なんでも頑張れる気がするのだから不思議だ。
しかし、オレの願掛けに反して、アームは頭と胴体の間を掴んで持ち上げた………が、ゴールに着く前にぽてっと落ちてしまった。
………悔しいけれど、やり方はわかった。
たぶんこれを繰り返せば、取れるようにできているんだ。