嘘から始まる恋煩い!

「美亜、オレもやってみていい?」
「おれもやる。姉ちゃん、ちょっとここ借りるよ?」
「え…………、で、でも…………。」
美亜が何かを言いかけたけれど、オレは微笑をたたえて首を振った。
「今日一緒に出かけてくれたお礼、みたいな?まあ、オレも取れるかはわからないんだけど。」
「おれも、日頃の姉ちゃんへのお礼だから。海里センパイと同じく取れる確証はないけどね。」
「う…………、2人ともありがとぉっ!」
感極まったように目を潤ませているのを見て、オレの心はさざなみを浮かべた。
………オレがカッコいいところを見せようと思ったのに、これじゃあ美亜にドキドキさせられっぱなしじゃん。
…………絶対にこの黒狐を取って、良いところを見せてやる。
世那もたぶん同じようなことを思ったのか、決意を固めた表情をしている。

「じゃあオレが先にやるから。1枚コイン入れればいいんだよね?」
そう確認をとりながら、世那に邪魔されないようにすぐに財布からコインを取り出して投入した。
案の定世那が何か言いたそうにしていたが、オレは素知らぬフリをしておく。
オレは機械から間抜けな………ではなく軽い音が鳴るのを聞きながら、頭を回転させた。
UFOキャッチャーをやるのは初めてだけど、何も考えずに見ていたわけではない。
美亜が6回プレイするのを見て、なんとなくコツは掴めそうだった。