嘘から始まる恋煩い!

「うーん、たぶんこの子の胴体を掴めばいいんだよね?楽勝かも⁉︎」
「あ、美亜、それはっ…………!」
「えいやっ‼︎」
得意気な表情でボタンを押すと、機械からはシュボッと音が鳴り、段々アームが降下する。
そのアームは黒狐のお腹をガシッと鷲掴みし、美亜は期待に満ちた目でその様子を見つめた………が。
オレの予想通り、弱い力のアームはスポッと黒狐を取り逃がし、そのままゴールまで進み、アームを開いた。
「「「………………。」」」
3人の間に、何とも言えない気まずい沈黙が訪れた。
美亜は今の状況を信じられないような眼差しで見つめ、フリーズしてしまっている。
オレは世那と、強張った顔を向け合った。
「み、美亜………。こういうこともあるよ。オレが………」
オレが代わりにやろうか?という言葉を最後まで言わせず、美亜は呟いた。
「あ、あはは………、大丈夫だよ。うん、私この子を取るまで絶対に諦めないから………。そうだよ、油断は大敵っていうじゃん。甘く見た私がバカだったね………はは………。こうなったら、何としてでも捕まえるから、2人は見てて…………!」
ショックで頭の思考回路がいくつか切れてしまったらしい美亜は、普段見ない不敵な笑顔を浮かべて、財布からコインを取り出した。