嘘から始まる恋煩い!

………という感じで、今に至る。
美亜が最初試着室で着たのは、オレが言ったマーメードカラーの服。
肩とデコルテが出ていて、淡いグリーンとブルーが混ざり合っているその服は、やっぱり儚い感じを醸し出していた。
まさに人魚姫みたい………、美亜って絶対マーメードドレスとか似合うよな。
まあ、唯一実際の人魚と違うところは、美亜は絶対物語のように泡沫になって消えない事だ。
美亜には悲恋を歩ませないし、幸せな恋をしてもらいたいと思う。そしてその相手はやっぱりオレがいい。
「美亜、すごい綺麗だよ?夏に着れば涼やかに見えるし、見惚れちゃった。」
「やばい………、姉ちゃんめっちゃ似合ってる………。こういう系のもいいね。じゃあ次、このラベンダー着てみて?」
「あ、うん、ありがとう………?」
対する美亜は肩を縮こまらせて、少し頬を赤く染めた。
そのしぐさすら可憐で、思わずここで抱きしめたくなる。
だけど世那に促された美亜は、再び試着室の中に入っていった。

「「…………。」」
お互いの間に流れる、気まずい沈黙。
すぐ目の前にある試着室の中から、カサカサと布が擦れる音だけが聞こえて、オレは思わず緊張で身を固まらせる………が。
ふと聞きたいことを思い出して、世那の方を見た。