プリンセスに世界一の愛を

『別れよ。美紅ってさ、しっかりし過ぎ。全然甘えてくれないから可愛げがないっていうか。なんか、姉っていうより母親感強くて冷めるわ。やっぱ付き合うなら妹属性だな』

私を振ってわりとすぐ、元カレは新しい女の子と付き合い出した。相手は兄と姉がいる女の子。人に愛嬌を振り撒くのが得意な子だった。

(わがままを言わないと捨てられちゃうのか……)

草太と付き合うようになった時、捨てられるのが怖かった。だから必死でわがままを勉強した。わがままを言えば捨てられることはないと信じていたから。

「また捨てられちゃうのかな……」

大学の正門を出た後、堪えていた涙が溢れ出す。その場に座り込み、ただ泣くしかできなかった。遠くから聞こえてくる笑い声がウザい。

「美紅!!」

名前を呼ばれて顔を上げる。草太が走ってきた。何を言われるんだと身構える。草太は私の涙をハンカチで拭った。

「……あいつらの言ってたこと、聞いてたんだ」