プリンセスに世界一の愛を

過去の記憶が蘇っていく。私がこうなってしまった原因の一つは、私の家族だ。

私が五歳の頃、妹が生まれた。その瞬間に私の運命は変わってしまったんだ。両親も祖父母も妹中心になり、私はあまり構ってもらえなくなった。甘えようとするたび、こう言われた。

『美紅はもうお姉ちゃんなんだから、甘えてばかりいないでしっかりしないと』

妹の面倒を見ると両親も祖父母も喜んだ。甘えると叱られた。だから私は「理想のお姉ちゃん」になることにしたんだ。しっかり者で、誰からも頼られて、決して泣き言を言ったりしない。

そんな私に初めて彼氏ができたのは、高校生の頃だった。相手は同じクラスメートで、忘れ物が多くてしっかりしてるタイプとは言えなかった。

『俺、しっかりしてて姉属性みたいな子がタイプでさ。付き合ってください!』

甘えられるのには慣れていたから、だから告白をOKした。デートの時にはバスや電車の時刻を調べて、登校前に彼氏に電話して忘れ物がないか一緒に確認して。そんな恋人生活は半年もしないうちに終わった。