午前零時になったら〜ピーターパンとシンデレラ〜

華純の胸が高鳴る。男性に彼女は駆け寄った。

「来てくれてありがとう」

男性ーーー瀬名類(せなるい)は華純に訊ねる。

「華純さん。これは僕から言い出したことだけど、いいのかい?僕と一緒に行くということは、お嬢様である地位を捨てるということだ」

その言葉に対し、華純は背伸びをして類の頰にキスをする。その目に迷いはない。

「私、あなたと生きていたい。あなたじゃなきゃダメなの」

類は覚悟を決めたように頷く。そしてポケットから小さな箱を取り出した。

「じゃあこれを。……僕と、結婚してください」

箱の中に入っていたものを見て、華純の目が大きく見開かれる。箱の中に入っていたのは、小さな石の入った指輪だった。類は恥ずかしそうに言う。

「ごめん。指輪、あんまりいいやつじゃないけど」

「ううん。嬉しい」

華純の瞳に涙が浮かぶ。類が一生懸命選んでくれたのだろう。指輪に使われている石は華純の誕生石だ。