「拡張型心筋症という病気です。もっと精密な検査をしたほうがいいので、大学病院に紹介状を描きますので入院の可能性も覚えておいてください」
拡張型心筋症というその病名は藍里ちゃんと全く同じでした。遺伝や心室といった難しい言葉が飛び交う中でお母さんは叫びたそうな顔でした。
私も、藍里ちゃんと同じベッドに潜り込んで涙を零すのだと、ようやく理解しました。
帰り道、車の中で。運転しながらお母さんが泣いていたのが後部座席にも伝わっていました。
大学病院に行くのはもう明日のことだと理解なんてできませんでした。納得なんてできませんでした。
大学病院でも入院してと言われたこと以外は、全く同じループでした。
キラキラ光る夏の太陽は異世界の物語で病室の中には壊れたクーラーしかありませんでした。
藍里ちゃんが静かに横たわっていた。私の隣で。
「結生ちゃん、、、、、、」
仲間ができて嬉しそうな顔をするのではなく本気で私を心配してくれて、藍里ちゃんは私の唯一の理解者とも言えました。
でもその僅か1ヶ月後。藍里ちゃんは心停止して呆気なく亡くなりました。
心臓移植のドナーを待ち始めた手前です。私はその日に初めて生死は隣り合わせにあると理解できました。亡くなる前の日まで藍里ちゃんは普通に笑っていました。
これではただの1人語りなのでそろそろ結夏様と関係のある話をさせてください。