私に心臓の病気が見つかったのは小学5年生の夏、今から5年前です。
私の従姉妹の藍里ちゃんに軽い心臓病が見つかって、藍里ちゃんは入院することになりました。その闘病は果てしなく長くはありませんでしたが親戚共々で幸せな道の先にあった不幸を心配しました。
ある快晴の日に母に「結生も心臓の検査を受けてみたほうがいいわ」と言われ、病院に向かいました。その時、早く脈打つ心臓が「異常があるかも」と無意識の勘を働かせていました。まるで全身が狭い檻に閉じ込められたようで検査の前夜に何度も何度も繰り返し涙を一人きりでこぼしました。
検査室の中で冷たい心電図の器具を貼られるにつれ鼓動はさらに高まっていきます。
その中で青いプールの中で感じた息ができなくなり、胸が締め付けられていく感覚が記憶の中で繰り返し蘇っていました。かかった時間は15分ほど。検査技師の方は妙な顔をしていて心臓がスカスカになったような感覚やパンパンになったような感覚が何度も繰り返されました。
藍里ちゃんがどれだけ怖かったのかどれだけ押しつぶされていたのかやっと1cmわかる気になりました。
「早瀬結生さーん、診察室にどうぞ」
診察室の中で、お医者様に当てられた聴診器は検査器具よりずっと冷たかったのですが、私の胸の中の方が遥に冷たい。そんな気もしました。
軽く問診をされた後に、お医者様は躊躇うことも優しげな瞳をすることもせずに私を見ました。そして告げたのです。