「緊張してます?」
「……別に」
「さすがですね」
軽く笑う声。
そのまま、扉に手をかける気配。
そして、教室の中へと足を踏み入れた。
ざわめきがほんの一瞬だけ途切れ、すぐに元に戻る。
視線が集まっているのは分かる。新しく来た私が物珍しいのだろう。
けれど、気にする必要はないと判断して、そのまま歩いた。
「はいはーい、席ついてくださーい。ホームルーム始めますよー」
どこか気の抜けた声が教室に広がる。
蒼真だ。
さっきまで隣にいたはずなのに、もう教卓の前に立っている。
(……早い)
「えー、今日は転校生が来てます」
軽い調子のまま言うと、教室の空気が少しだけ色を変えた。
興味が向くのが分かる。
「澪様――」
一瞬だけ、言葉が止まる。
わずかに空気が引っかかるような感覚。
(……様)
この場には、合わない呼び方。
「……別に」
「さすがですね」
軽く笑う声。
そのまま、扉に手をかける気配。
そして、教室の中へと足を踏み入れた。
ざわめきがほんの一瞬だけ途切れ、すぐに元に戻る。
視線が集まっているのは分かる。新しく来た私が物珍しいのだろう。
けれど、気にする必要はないと判断して、そのまま歩いた。
「はいはーい、席ついてくださーい。ホームルーム始めますよー」
どこか気の抜けた声が教室に広がる。
蒼真だ。
さっきまで隣にいたはずなのに、もう教卓の前に立っている。
(……早い)
「えー、今日は転校生が来てます」
軽い調子のまま言うと、教室の空気が少しだけ色を変えた。
興味が向くのが分かる。
「澪様――」
一瞬だけ、言葉が止まる。
わずかに空気が引っかかるような感覚。
(……様)
この場には、合わない呼び方。



