「澪様、これを」
「なに、これ?」
蒼真が私の手に乗せたのは紙。なんとなく、嫌な気配もこの紙から感じる。
「御札です。澪様が気を失う前に人形が張り付けたものかと思います」
「御札なのに、嫌な気配がするのはなんでなの? まるで、あの黒い手のよう」
まぶたの奥に浮かぶのは、気を失う前の最後の記憶。無数の黒い手が自身の足に絡みつく光景。
久しぶりの感覚だった。足ではなく心臓がつかまれている感覚に落ちるのは恐怖でしかない。だが、私たち夜桜家は呪いの、黒い無数の手から逃げられないのだ。
「きっと、目を使いすぎた代償でしょう。『浄』の札でしたが、真っ黒に染まりきっており、もう使いようがないと思います」
「……そう」
私はお札を返すと、人形の修復に取り掛かる。静かな沈黙を先に断ち切ったのは蒼真だった。
「そういえば、桜丘学園の件ですが」
「……うん」
「俺も行きますよ」
「……?」
「教師としてですけど」
「なに、これ?」
蒼真が私の手に乗せたのは紙。なんとなく、嫌な気配もこの紙から感じる。
「御札です。澪様が気を失う前に人形が張り付けたものかと思います」
「御札なのに、嫌な気配がするのはなんでなの? まるで、あの黒い手のよう」
まぶたの奥に浮かぶのは、気を失う前の最後の記憶。無数の黒い手が自身の足に絡みつく光景。
久しぶりの感覚だった。足ではなく心臓がつかまれている感覚に落ちるのは恐怖でしかない。だが、私たち夜桜家は呪いの、黒い無数の手から逃げられないのだ。
「きっと、目を使いすぎた代償でしょう。『浄』の札でしたが、真っ黒に染まりきっており、もう使いようがないと思います」
「……そう」
私はお札を返すと、人形の修復に取り掛かる。静かな沈黙を先に断ち切ったのは蒼真だった。
「そういえば、桜丘学園の件ですが」
「……うん」
「俺も行きますよ」
「……?」
「教師としてですけど」



