その瞬間、曖昧だった世界が一気に輪郭を取り戻し、距離も位置もすべてが明確に結ばれていく。
瞳が、怪しく赤く光り、すべてがはっきりと“視える”。
腕の中の人形が音もなく動き出し、私と同じように札を指に挟んで動きをなぞる。
“それ”が暴れるように腕を振るうが、その軌道もすべて視えている。
横へわずかに身体をずらしてかわし、そのまますれ違いざまに札を打ち込み、同時に人形が背後へ回り込んでさらに一枚を重ねる。
霊力が重なり合うたびに“それ”の動きは鈍くなっていき、逃がさないとばかりに踏み込んで距離を詰める。
人形と完全に呼吸を合わせ、一つ、二つ、三つと札を重ねていき、最後の一枚を中心へ叩き込む。
「……ふう」
一拍の静寂ののち、“それ”は弾けるように崩れ、黒い塊は霧のように散っていった。
残った重たい空気も、やがてゆっくりと消えていく。
周囲から駆け寄る気配。
「次期当主さまが助けてくださったぞ!」
「ありがとうございます、澪様!」
瞳が、怪しく赤く光り、すべてがはっきりと“視える”。
腕の中の人形が音もなく動き出し、私と同じように札を指に挟んで動きをなぞる。
“それ”が暴れるように腕を振るうが、その軌道もすべて視えている。
横へわずかに身体をずらしてかわし、そのまますれ違いざまに札を打ち込み、同時に人形が背後へ回り込んでさらに一枚を重ねる。
霊力が重なり合うたびに“それ”の動きは鈍くなっていき、逃がさないとばかりに踏み込んで距離を詰める。
人形と完全に呼吸を合わせ、一つ、二つ、三つと札を重ねていき、最後の一枚を中心へ叩き込む。
「……ふう」
一拍の静寂ののち、“それ”は弾けるように崩れ、黒い塊は霧のように散っていった。
残った重たい空気も、やがてゆっくりと消えていく。
周囲から駆け寄る気配。
「次期当主さまが助けてくださったぞ!」
「ありがとうございます、澪様!」



