僕の昔の話を自分のことのように真剣に聞いてくれる咲良ちゃん。最後までちゃんと聞いてくれてて話している内容は嫌なことなのに話していると自然に心が軽くなっていった気がした。
「そんなこと言ってくるなんて、どんな理由があってもだめです!いつも優しくて場を和ませてくれる律くんにそんなこと言う人にはちゃんと怒らなきゃだめですっ!!」
急に咲良ちゃんからは聞いたことがないような大きい声で言われた。でもただ大きい声で言うんじゃなくて、僕のためを思って言ってくれたのが真剣な表情から伝わってきて。人生で一番くらい、嬉しかった。
そのあとあっ、って顔していたのもおもしろくてつい笑っちゃった。
「謝らなくていいよ。僕のために怒ってくれたんでしょ?すごい嬉しいっ!」
そう伝えるとすごく驚いた顔をしていた。
「え、、」
「そういうところ大好きだよ」
え?咲良ちゃんが、僕のこと?そう考えるとどんどん顔が赤くなっていく感じがした。すごく恥ずかしいのに嬉しくて。人生で初めての感覚だった。
「え、、///咲良ちゃん、そんなこと軽く言っちゃだめだよ、」
「もうっみんなっ!そろそろ寝るよっ!」
照れ隠しって言うのかな。何かしないとうずうずして大きい声を出した。
「「はーい」」「そうだな」
「「咲良、おやすみ」」「咲良ちゃん、おやすみ」
「はいっ!ゆっくり休んでくださいっ!おやすみなさいっ!」
みんなは返事をして順に階段をのぼって寝室に向かっていってるのになんか足が動かなかった。
「律くん?寝ないの?」
話しかけられてやっと動けた。
「咲良ちゃんのせいだからねっ!おやすみっ!」
これもきっと照れ隠し。いつもより大きい声で言った。
「ふふ、おやすみ」
なんか愛おしいものを見るような目で僕のことを見てくるから、また顔が赤くなった気がした。
「なんで笑ってるのっ!」
「拗ねてる律くんがかわいくて、つい」
またかわいいって言った!でも前に女の子に言われたときみたいな嫌だなっていう気持ちはなくて、嬉しい、みたいな。
「っ〜//咲良ちゃんはほんっとに、かわいい」
最後の方は声がすごく小さくなった。聞こえなかったから結果的には良かったのかな。そのあと階段を駆けのぼって寝室に入った。
「ていうか何で自分の部屋じゃなくて寝室で寝てるんだろう。変なの」
呟くと、
「それはな、」
「え!?あ、理玖くんか。起きてたんだね」
「まぁな。それで寝室の件だが、俺が頼んだ。」
「え?何で?」
「お前らの変化に少しでも早く気付けるように、だ」
「え?そうなの?」
何か心がすごく温かくなった。
「ああ、だから寝てる間くらい安心してゆっくり寝ろ。」
きっと理玖くんなりの気遣いなんだろうな。
「そっか、ありがとう」
「いや、別に俺がそうしたかっただけだ」
「ふふ、おやすみ」
「ああ、おやすみ」
いつもよりも深い眠りにつけた気がした。

