はじめまして、生徒会の愛され担当の自分。


「なんでこうなっちゃうんですか…」

今、生徒会メンバーがゲームをしている。勝った人がわたしと付き合う、というルールらしい。……わたし許可してない……。

「チッ、律先輩マジでなんでそんなことするんですかっっ!!」

「ふふ〜ん、幼馴染だからって咲良ちゃんにベタベタしてるからお仕置きだよっ〜!現在っ、1位を抜かし、独走するのは咲良ちゃんの新彼氏っ、瀬戸律〜!!」

新彼氏……?まだゲーム終わってないんですけど??

「咲良ちゃん、俺のこと、忘れないでね…ゲーム嫌いだって言ったのに…これって労災に入るのかな…」

なんか死にそうになってる人いるし。ただのゲームで負けて労災に入るわけないじゃないですか。

「まぁ、俺はゲームも勉強も運動もできるからな」

って言いながら3位とってる生徒会長もいるし。




ときは30分さかのぼる。

「咲良ちゃんは僕のことが好きなんだよね??」

「いや咲良は咲良のこと昔から知ってる俺といた方がいいよな??」

「いや咲良ちゃんは優しいし俺といた方が楽だよね??」

「はっ、なわけないだろ。生徒会長である俺が一番頼れていいだろ。な??」

「全員嫌ですね」

「え、咲良ちゃん?」

律くんが目をうるうるさせて言ってきたから

「わ〜っごめんねっ!わたしで良ければ!」

「やった〜!」

「「は??」」「え??」

「咲良ちゃん、それは不公平だよ。ゲームで決めよう?」

「凪くんっ!咲良ちゃんは僕を選んだんだよ!」

「いや、咲良はきっと律先輩に絡まれるのが嫌でそう言ったんだよ。長年の勘でわかる。」

どうやらその勘は外れてるな…。

「その意見については俺も賛成だ。女は頼れる男が好きだと聞いたことがある。だから五十嵐はモテるって言われたこともある。」

まず女呼びやめませんか?せめて女子とか…。あとこんな時代で女とか男とかあんまりよろしくないかと…。生徒会長一番真面目そうでツッコミどころ腐るほどあるんだよね…。

そんなこんなあって今この状況。こんな人たちが生徒会運営して大丈夫なんですか?先生、わたしは心の底から不安です。


「やった〜!!咲良ちゃん、僕勝ったよ!これでみんなも諦めてくれるよね?」

「いや、次のテストの結果もいれよう。これは生徒会長の命令だ。従わない奴は則退学だ。」

権力ふりかざす生徒会長も普通なら則退学です。

「チッ、テストも入れたほうがいいと思います。このままだと困るので。」

「そうだね…みんな、これからの生徒会を頼んだよ…」

「凪先輩って何でも出来るイメージでした。何なら得意ですか?」

流石にかわいそうで尋ねると

「ん〜、歌、楽器とかの音楽系かな。小さい頃からピアノ、ヴァイオリンを習ってたんだ。だから音楽系は強いかな」

「おっ!すごいじゃないですかっ!なら科目に入れましょう!」

自分で言ったけど科目って何だ。科目って。もはや体育祭じゃん。

「いいのっ!?やっぱり俺の咲良ちゃんは優しいね」

「…やっぱり取り消します…」

「だめだよっごめんね!?」

「すぐに謝るところいいと思います…」

今度は返事をせずにすごくニコニコしていた。


「ところでそろそろ寝たいんですけどどこで寝ればいいですか?」

「「「俺のベッド」」」「僕のベッド!」

「あ、ここのソファ借りますね」

自分以外の誰かと寝るよりはそれが良かったららしく、全員黙りこんだ。

「そうだ、気になってたんですけど、律くんが女の子あまり好きじゃない理由って聞いても大丈夫?」

「咲良ちゃんには教えようかな」

「あのね、小学生の頃ね、クラスメイトの女の子たちに『律くんって女の子みたいだよね!彼女さんとかは絶対できないね!』って馬鹿にされたの。」

っ…。聞くだけで気持ち悪くなってくる。

「それだけなら別に気にしなかったんだけど、、アンケートとかで性別選ぶものあるでしょ?その度に『律くんは女の方選んだ?あ、律"ちゃん"がいいか!ごめんね、律"ちゃん"』って言われて。そこからかな…」

「怒らなかったんですか、?」

「え?」

「そんなこと言ってくるなんて、どんな理由があってもだめです!いつも優しくて場を和ませてくれる律くんにそんなこと言う人にはちゃんと怒らなきゃだめですっ!!」

ひさしぶりにすごくムカついて大きい声を出してしまった。

「あ、大きい声出してごめん。」

「ふふ」

律くんの笑い声が聞こえたから顔を見上げると

「謝らなくていいよ。僕のために怒ってくれたんでしょ?すごい嬉しいっ!」

「え、、」

なんでこんなに強いんだろう。どんなことを言われても、傷つけられても負けない強さ。他人のことを自分のことのようにする人に対して怒らない強さ。

「そういうところ大好きだよ」

思わず伝えていた。すると律くんの顔がみるみる赤くなっていってついには耳の先まで真っ赤になっていた。

「え、、///咲良ちゃん、そんなこと軽く言っちゃだめだよ、」

珍しいっていうか初めて見た。律くんって照れるんだ。かわいい!!生徒会メンバーもこの話には口を挟めないらしく黙っていた。

「もうっみんなっ!そろそろ寝るよっ!」

照れ隠しなのか大きい声で呼びかけている。

「「はーい」」「そうだな」

「「咲良、おやすみ」」「咲良ちゃん、おやすみ」

「はいっ!ゆっくり休んでくださいっ!おやすみなさいっ!」

律くん寝ないのかな。生徒会長、港、凪先輩が階段をのぼって寝室に向かったのに律くんは行かない。

「律くん?寝ないの?」

「咲良ちゃんのせいだからねっ!おやすみっ!」

「ふふ、おやすみ」

「なんで笑ってるのっ!」

「拗ねてる律くんがかわいくて、つい」

「っ〜//咲良ちゃんはほんっとに…」

階段の途中でうずくまって最後に何か言ってたけど…何て言ってたんだろう。聞こえなかったな。律くんはすぐ立ち上がって寝室に向かった。