何かを言いかけて目を閉じた律くん。
少し経って、寝たみたいだけどその顔はいつもと違う、悩んでいるような顔。
何を伝えたかったんだろう。何をわたしに?
顔を見つめて考えていると、ある顔が脳裏をよぎった。
公園で泣いていた、きれいでふわふわの茶髪の男の子。
約束を交わしたきり、守ったかもわからないまま会っていないあの男の子。
誰も見てみぬふりをしていた公園の枯れた向日葵に毎日お水をあげて優しい言葉をかけていた男の子。
公園に来ていた誰かのお母さんが見て『かわいそうよね、あの子。お家でも暴力されてるみたいよ。』と呟いていた男の子。
「ねぇ、律くん」
「律くんってさ、」
寝ている律くんの手を握る。
「あの『男の子』なの、?」
あの男の子はわたしの初恋だった。



