クールな年下男子と、甘い恋を。

 確かに私は漣里くんのことをよく知らない。
 言葉を交わし始めてから、三十分も経っていない。
 それでも――たとえ短い間でも、わかることはある。

「だって、私は漣里くんが優しい人だって知ってるもの」
「……?」
 自信たっぷりに言った私を見て、漣里くんが眉をひそめる。

「いまの世の中、厄介ごとには関わらない、見て見ぬふりをする人が大半なのに、漣里くんはうずくまってた私に声をかけてくれた。家においでって言ってくれたよ」

 人を平気で殴る怖い人。
 それがほとんどの生徒の認識かもしれないけど、それは違うって、いまなら自信を持って否定できる。

「知り合いでもない子を自分の家に招くなんて、なかなかできることじゃないよ。他人を心配して、大事にできる人が、理由もなしに誰かを傷つけるわけがない。絶対に」
 だから、漣里くんが手を上げたなら、そこには事情があるんだ。

「私はそう信じてる」
 私はきっぱり言った。