クールな年下男子と、甘い恋を。

「いえ嘘です! 冗談ですごめんなさい! 調子に乗りました!」
「撤回するくらいなら言わなきゃいいのに」
「はい……」
 私はしゅんと項垂れた。
 駄目だ、成瀬くんに冗談は通じない。

「ええと、やっぱり漣里くんって呼ばせてもらうね」
 成瀬くん、もとい、漣里くんはもう何も言わなかった。
 我関せずとばかりにアイスを食べている。

 本当にクールな人だよね……。
 人当たりのいい葵先輩とは違って、愛想が全然ない。

「ごめんね、真白ちゃん。漣里、誰に対してもこんな感じだから。真白ちゃんが嫌いとかそういうわけじゃないんだよ。学校でもあまり良くない噂が立ってるけど……悪い印象を持たないでほしい」
「はい」
 葵先輩の言葉に、私はすぐさま頷いた。

 それは大丈夫だ。
 あまりにクールだから戸惑うことは多いけど、漣里くんが悪い人だとは欠片も思ってない。

「……漣里のこと怖くないの? 漣里が上級生を殴ったことは知ってるよね?」
 葵先輩は意外そうな顔をしている。

「はい。でも、漣里くんは理由もなしにそんなことができる人じゃありません。そうせざるを得ない事情があったんだと思います」
「なんでそう言えるんだ」
 漣里くんは静かに私を見た。
 お前に自分の何がわかるんだ、と言われた気がした。