冷徹宰相様の嫁探し

「ダンスも下手ですし」
「覚えればなんとかなる」

 最初からなんとかなっている方を選んだ方がいいと思うのですけどね、
とマレーヌが思ったとき、馬車が王宮の正面玄関についた。

 馬車の扉が開けられ、先に降りたアルベルトがマレーヌに手を差し出し、降ろしてくれる。

 ああ、夢のようですっ。
 宰相様に手を借り、見つめられながら馬車を降りるとかっ。

 例え、その視線が完全に、店先で品物を値踏みしているときのそれと同じ感じでも。

 私はその方がきゅんきゅんしますっ、とマレーヌはひとり感動に打ち震えていた。