冷徹宰相様の嫁探し

「やめてちょうだい、シルヴァーナ。
 それでなくとも、マレーヌは乗り気じゃないんだから」
と母が眉をひそめる。

「そうだぞ、シルヴァーナ。
 それに王子の許に行くと、なにも自由にならないなんてことはないぞ。

 例えば、お前の大好きな本も買い放題だし。
 いろんな国から取り寄せ放題だ」

 まあ、と麗しきシルヴァーナはマレーヌの手をとった。

「なるほど、そうね。
 マレーヌ、エヴァンの許に嫁に行ってちょうだい。
 そして、私に本を横流しして」

 あっさり姉に売り飛ばされる。

「あなたも好きでしょう? 本。
 あとお菓子も好きよね。

 きっと他国のお菓子も取り寄せ放題だわ。

 いえ、そもそも、貢ぎ物として、私たちの口には入らないような、見たこともないお菓子がたくさん来るわよ」

 ……それは気になるが。

 敵国からは毒なんかも入って貢がれそうなので、勘弁だ。
 そうマレーヌは思っていたが、姉も兄ももう押せ押せ状態だった。

「そうだぞ。
 王子と結婚すれば、なんでもお前の自由になるんだ」
と上の兄が笑顔で言い、下の兄も同調して言ってくる。