冷徹宰相様の嫁探し

「宰相様はエヴァン王子の嫁を探すのに熱心でいらっしゃいますが。
 宰相様ご自身の奥様を探したりはなさらないのですか?」

 実は、マレーヌは、
 この件が片付いたら、安堵したアルベルトが自分の嫁探しをはじめてしまうのでは?
と不安に思っていたのだが、アルベルトはそんなことには気づくはずもなかった。

「そうだな。
 まあ、いずれは嫁をとらねばならないだろうが。

 とりあえずは、王子の妃を探さねば。
 お前がさっさと王子の元に嫁いでくれたら、探せるのだが」

 そう言ってみたが、
「じゃあ、嫁には行きません」
と言われてしまう。

 何故だ。
 ほんとうにこの娘はわからぬ。

 一国の王妃にしてやろうと言うのだぞ。

 感謝されこそすれ、そのような泣きそうな目をされる覚えはないのだが、
と思うアルベルトにマレーヌが訊いてくる。

「……何故、私なのですか?」

 うん? とアルベルトは自分を見つめるマレーヌの顔を見る。