冷徹宰相様の嫁探し

「エヴァン王子に東洋から珍しいお菓子を取り寄せたのですが。
 宰相様はお菓子はお好みでないようでしたので、お茶にしました」

 いつもありがとうございます、と微笑み、渡される。

「そうか。
 申し訳ないな。

 いや、私も別に菓子が嫌いなわけではないのだが」

「そうなのですか?
 では、あのときは我慢してらしたのですね」
と笑うマレーヌに、あのときとはいつだ? と訊いたのだが、マレーヌは何故か赤くなり、答えない。

 なんだかわからないが、マレーヌが自分のために取り寄せてくれたというお茶の入った箱を胸に抱いていると、さっきまでのイライラが消えていく気がした。

「今、王子との婚約の儀について、王様と話を進めている」
と今の状況について説明すると、そうですか、とさっきまで花のように笑っていたマレーヌの表情がくもった。

「ともかく、王子の相手が決まらぬと、みな、安心できぬからな」
「宰相様」

 マレーヌは小動物に酷似した愛くるしい瞳をこちらに向けて問う。