冷徹宰相様の嫁探し

 ここ数日は忙しく、マレーヌを執務室に送り届けるのは、マテオの役目となっていた。

 間で覗くようにはしていたのだが。

 そうか。
 王子はマレーヌが来るのをいつも心待ちにしていたのか。

 ……なんだろうな。
 気分がしゃっきりしないが、と思いながらも、仕事を済ませ、一段落ついたところで、マレーヌの様子を見に行こうとしたら、向こうからやってきた。

 マレーヌは意匠を凝らした紙箱を手に訪ねてきた。

 東洋風の布が貼ってある立派な箱だ。

「宰相様、東洋から取り寄せたお茶です。

 あまり珍しいものではないのですが、とても美味しいのです。

 ぜひ、お召し上がりください。
 いつもご迷惑おかけしているので」
とマレーヌは笑う。

「どうした。
 すまないな」

 娘を気遣う父からは時折、付け届けが贈られてくるのだが。

 マレーヌ自身からは初めてだった。