数日後、王宮の廊下を歩いていたアルベルトは懇意にしている大臣に声をかけられた。
「ユイブルグ家の令嬢を王子に添わせるお話、順調なようですな」
そう機嫌よく言ってくる大臣に、
「なにが順調なものですか」
と宰相は溜息をついた。
だが、
「でも、マレーヌ嬢は、王子との婚姻に乗り気なようではないですか」
と大臣は言う。
「そうですか?」
「この間など、王子の好む菓子を調べて異国まで手配したとか。
今は落ちぶれてはおりますが、ユイブルグには昔からの他国とのつてがありますしな。
マレーヌ嬢が妃となったあかつきには、そのつて、王家にとって、強い力となりましょう」
大臣はマレーヌと王子との婚姻後の政治的な話をしていたが。
アルベルトは違うことが気になっていた。
……私には王子との婚姻には乗り気でないと言っていたが、あれは恥じらいであったのか?
古いつてをたどってまで、王子に菓子を用意するとか。
「しかも、王子の方もマレーヌ嬢の訪れを日々楽しみにしているご様子」
「そうなのですか?」



