冷徹宰相様の嫁探し

「王様の戴冠式のあとのパーティで出会ったのです。
 宰相様はお父上とともに式に参列していらっしゃいました。

 まだ子どもといってよい年なのに、とても据わった目をしてらして。
 菓子などにも目もくれずに静かにしてらして」

 王子は何故かそこで頭を抱える。

「どうされましたか?」
「いや……私は菓子に目がないので」

 王子はそのとき、菓子に釘づけだったうえに、たくさん同い年の子どもたちも来ていたので、大はしゃぎだったらしい。

「そうだったのですか」
とマレーヌは言って、

「……君が私の方を見てもいなかったことはよくわかったよ」
と言われてしまう。

「すみません。
 お菓子と宰相様しか目に入っておりませんでしたので」

「私は視界に入らないのに、お菓子は入っていたんだね……」

 まあ、子どもですからね、とマレーヌは思っていた。

「でも、無邪気にお菓子を喜ぶ子どもの方が子どもらしくていいと思いますが」

「でも、君は子どもらしくない宰相が好きだったんだろう?」

 今日は引っかかるな~とマレーヌは苦笑いする。

 なにかまずいことでも言っちゃったかな。

 今度、お詫びに、王子様のお好きなお菓子でも、調べて持参するか、と思いながら、またデスクの上の文書に目を通す。