冷徹宰相様の嫁探し

 
 なかなか婚約話をしりぞけられないマレーヌは気分転換に王立図書館に行ってみた。

 すると、
「あら、マレーヌじゃない」
と朱色の絨毯の敷かれた階段からレティシアが声をかけてきた。

 二階にいたようだ。

「どうですか?
 レティシアさんの方、お話進んでます?」

 見上げてマレーヌは微笑んだが、レティシアは下りてきながら、肩をすくめてみせる。

「もう無理よ。
 なんだかあなたたち怖いし」

 あなた『たち』って誰だろう? と思うマレーヌに、

「それにあなた、最近、王様の覚えもめでたいっていうじゃない」

 レティシアは完敗だわ、というようにオーバーリアクションで首を振り言ってきた。

 いや、覚えがめでたいっていうか。

 あれは、ちょっとした私のミスなんですけどね……とマレーヌは思っていた。