帰りはアルベルトとマレーヌの乗る馬車を警護することを許された。
生真面目なアルベルトはマレーヌを館に送り届けると、お茶も飲まずに仕事に戻っていった。
「マレーヌ様」
とマテオはアルベルトを見送り終わった彼女に話しかける。
「あの方はやはり恐ろしい方ですね」
「えっ? そうかしら?」
「でもまあ、マレーヌ様のお気持ちはちょっとわかりました。
人はあまりにも恐ろしいものを見ると、恐怖のあまり、逆に近づこうとしてしまうようですね」
と言ったが、
「いや、そういうわけじゃないんだけど……」
とマレーヌは苦笑いしていた。



