冷徹宰相様の嫁探し

 
 
 次の日は、アルベルトが迎えに来て、マレーヌを王宮に連れていった。

 アルベルトのせいで、ついて行けないマテオは陰からそっと尾行する。

 妃候補のマレーヌを邪魔に思い、狙ってくる(やから)がいるかもしれないからだ。

 例え彼女が永遠に自分のものにはならないとしても、彼女を守りたい。

 そうマテオは子どものころから誓っていた。

 せめて、彼女がいい夫に恵まれ、幸せになるところを見届けようと思っていたのに。

 何故、王子。

 国になにかあったら、真っ先に命の危険にさらされてしまうではないか。

 マテオは知り合いの衛兵と話をしたりしながら、王宮の庭をうろついていた。

 そっと回廊を窺っていると、アルベルトと歩いていくマレーヌが見えた。

 愛らしいマレーヌは氷の宰相アルベルトに睨まれても、まるで気にせず笑っている。

 マレーヌ……と想いを込めて見つめていると、マレーヌはアルベルトとともに王子の部屋に入っていった。

 さすがに王子の部屋の周辺までは近づけない。
 警備が厳しいからだ。

 ふう、とため息をつき、じっとしていると、やがて、アルベルトがひとり出てきた。

 なんだかんだで、いい男だよな、宰相、とマテオは思う。

 そこらの騎士より逞しい体躯。

 ちょっとした刺客くらい簡単に跳ね除けそうだし、マレーヌのことも守れそうだ。

 いやまあ、マレーヌの相手は王子であって、宰相ではないのだが、と思いはしたが。

 マレーヌが心惹かれているのが、宰相の方であることも知っていた。