冷徹宰相様の嫁探し

「王子は聡明な方ですし、学園でも人気者でした。
 でも……」

 でも? と王子がマレーヌを見る。

「私……他に好きな方がいるのです」
とマレーヌが赤くなると、王子は身を乗り出す。

「へえ、誰なんだい?
 相手によっては、協力してやらないこともないよ」

「そうですか? 実は……」
とマレーヌは声を落とした。

 なんだかアルベルトが近くで聞いていそうな気がしたからだ。

「宰相様なのです」

 王子がいきなり目をそらした。

「いや、それは無理かな」
「王子~っ」

「君が宰相の好みかそうじゃないかは知らないけど。
 そもそも、人が勧めたからといって、じゃあ、結婚しましょうとか言うような男ではないからね。

 王子の私がなにを言っても、いつもなにも聞いていないし」

 いや、どんな宰相ですか……。

「君の好きな相手が宰相だというのなら、協力のしようもないね。
 しょうがないから、諦めて私の嫁になるといいよ」

「いやあの、王子こそ、諦めないでください。
 私なんかが嫁でいいのですか?」

 そうマレーヌは言ったが、王子は、
「いや、私は君で別に構わないよ」
と微笑む。

「え?」