強い意志を持って王家にお仕えしている宰相様が押せ押せなので、なにかこの話、断れそうにもない、と落ち込んでいたマレーヌだったが。
元来、前向きな性格なので、なんとかいい方に考えてみようとした。
「まあ、でもお兄様。
考えてみれば一度王宮に上がったら、戻ったとき、いろいろ良い縁談があったり。
大貴族の館で雇ってもらえたりとか。
引く手あまただと言いますよね」
待て、と上の兄に言われる。
「お前はもともと大貴族の娘だ。
何処で雇ってもらうと言うのだ。
まあ、確かに今は家柄はともかく、落ちぶれてはいる。
だが、貴族の中で、下ではないぞ。
中の上くらいだ」
「中の上、微妙ですね……」
そこで、いや待て、と次の兄にも言われた。



