冷徹宰相様の嫁探し

 そんな風に言われても、やはり、レティシアは腹を立てる様子もなかった。

 かと言って、王子妃になれることが嬉しいというわけでもないらしい。

 美しいが無表情だ。

 そのままルーベント公爵はアルベルトと宮殿内の情報を交わし合う。

 少し離れたところで待っていると、レティシアの方から話しかけてきた。

「あなたは王子妃になりたいの?」
「え? いいえ」

 中庭に面した回廊からは、太陽に煌めく噴水が見える。

 謎の女性たちが輪になり、踊り狂っているような彫像の上から噴き出す水は水量も多く、立派なものだったが。

 さして興味もなさそうに見ながらレティシアは言う。

「私の家は貴族ではあるけれど、裕福ではないの。
 そんなに身分も高くないから、私が妃か妾に選ばれたら、ルーベント公爵の養女になることが決まってる。

 あなたには申し訳ないけれど。
 貧乏な生活はもうまっぴら。

 私は私のこの美貌で、贅沢三昧な生活を勝ち取るのよ」

 だが、う~ん、ととマレーヌは首をかしげる。