冷徹宰相様の嫁探し

「幼少の頃より支えてくれている私の従者というか、幼なじみですが」
 アルベルトはマテオを上から下まで見、マテオに問う。

「……お前はいつも、マレーヌについておるのか」

 はい、とマテオが言うと、
「そうか。
 お前はクビだ」
とアルベルトは言い出す。

 はいっ? とマテオもマレーヌも訊き返した。

「クビにするよう公爵に進言してくる」
 淡々と言うアルベルトにマレーヌは反論する。

「何故ですか!
 マテオは私の乳母の息子で、私にとってはもうひとりの兄も同然な幼なじみなのですよ」

 だが、それを聞いたアルベルトは、
「いや、より駄目だ」
とは言う。

「何故ですか」
とまたマレーヌが詰め寄ると、アルベルトはマテオを、その視線、凍死しますっ、という目つきで見ながら言った。

「こんなに屈強な身体つきで」
「いけませんか?」

「純朴そうで」
「いけませんか?」

「主人思いの」
「いけませんか?」

「顔の整った男は駄目だ」
「いや、何故ですか……」
とマレーヌは呟く。