けれど、そんな俺を変えてくれたのは
たった一人家族――姉だった。
「俺なんかなんていっちゃだめよ。
父さんが見舞いに来ないのはね、
あなたの手術費をためているからなのよ
母さんが見舞いに来ないのはね、
あなたが返ってきたときに
暮らしやすい家を建てるために
お金をためるためなのよ。」
俺の不安を読み解き
不安をぬぐうように
教えてくれた。
俺の家族は、姉だけじゃない。
父さんも、母さんも。
俺の家族だ。
俺は、いらなくない。
俺のことを考えてくれる人がいる。
それがうれしくて仕方がなかった。
それが、大きな自信になった。
「姉さん」
カーテンを開けて外を眺めていた
姉さんがこちらに振り向く。
「ん?」
「ありがとう」
俺はもう弱くないと、
にっと笑って見せた。
「本当?よかった」
姉さんは笑った。
俺はもう、弱くない。



