君だけだと誓う

――――――都合良く、そんな人が物語の主人公になるわけではない。
あくまで晴菜ちゃんは私の憧れだし、晴菜ちゃんからしたら私なんて知人Dくらいで。

それから、なぜ珍しいかというとどこかの完璧っ子とは違い、朝に弱く寝坊なんて日常茶飯事。そんなもんだから自分に自信が持てない。この自己肯定感の低さはこの性格のだめさから来ているのかもしれない。

「珍しいって。。。、。。。。。うう。。。はぁ。そんなことより、霧香いる?」

井下霧香(いのうえきりか)。私の友達(?)で、晴菜の幼馴染み。晴菜ちゃんにしか心を許していない、というかコミュ障で、未だに挨拶も交わしたことがない。普段は晴菜ちゃんの後ろにいるので、見かけているだけなのだ。

「ああ、いるわよ。まぁ。。。そっれにしても、ひどい癖っ毛ね。もう少しだけ早く起きていればセットしてあげられるのに、」

晴菜ちゃんはそう言ってヘアアイロンを取り出した。
晴菜ちゃんだって元からかわいいわけではない。確かに地はかわいかったが毎日朝早くに起きて身だしなみを整えている。

「無理無理!今ので精一杯!」

私に、そんな生活できるわけがない。

私だって、かわいくなりたい。でも、自分が元からかわいいわけでもない。だから正直かわいい自分を見たくない、というのがあるのかもしれない。だって、その『かわいい自分』は、私じゃないから――――。

良くない、こういうのを考えるのはやめよう。悪循環だ。

「にしてもこの坂、きつー。」

校門の前にある壁のように私の前に立ちはだかる坂。50mくらいで別に長くはないけれど、急斜面な場所はきついのだ。

「あとちょっとー」

晴菜が横から励ましてくれる。

なぜここまで完璧なのか。
なんて、冗談はそれくらいにして。

私はきつい坂を黙々と歩いた。