私は、気づいたら泣いていた。
ぐしゃぐしゃになって、顔を真っ赤に染めて
廊下に崩れ落ちるように座った。
彼は、そんな私の背中をさすり続けてくれた。
私が、泣き止むまで。
なぜ泣いているのか
どうしたら泣き止むか
そうは聞いてこなかった。
それが、うれしかった。
幼い私に、大きな影響を与えた。
病院で出会った一人の男子は、鈴朱と名乗った。
「花楽里ちゃん。私なんかって言っちゃダメ。言葉はね、自分の感情に影響するんだ。
だから、ずっとずっと楽しいことを、したいことをして。楽しかったら口にする。思いっきり笑う。
そうすればきっと、花楽里ちゃんの前にも幸せが訪れるはずだよ。」
背の高さと、落ち着いたそのフインキからずっと年上だと思っていたが、
聞くに彼は私の1歳上で中学3年生だという。
彼という存在は、私の中で大きかった。



