数日後。
陽菜「湊〜!次これやろ!」
元気な声。
でも――
少しだけ、前より息が上がりやすくなっていた。
湊「……今日は休めって」
陽菜「やだ!」
即答。
陽菜「だって時間もったいないもん!」
その言葉に、湊の胸がズキッと痛む。
湊「……何するんだよ」
陽菜はノートを開く。
『やりたいことリスト』
陽菜「今日はこれ!」
指さした先には――
『病院の中でかくれんぼする』
湊「……は?」
陽菜「楽しそうじゃない?」
湊「怒られるだろ」
陽菜「バレなきゃセーフ!」
湊「それ前も言ってたな…」
でも――
その無理やりな明るさに
少し違和感を感じる。
湊(心の声)
「……前より、焦ってる」
でも、何も言えない。
――院内
陽菜「じゃあ私隠れるね!」
湊「はいはい…」
陽菜が走っていく。
でも――
少しだけ足取りが重い。
湊(心の声)
「……大丈夫かよ」
数分後。
湊「……陽菜?」
見つからない。
少し焦り始めた頃、
階段の踊り場で見つけた。
陽菜は座り込んでいた。
湊「……おい」
陽菜「……見つかっちゃった」
少し息を切らしながら笑う。
湊「……無理すんなって言っただろ」
陽菜「うん、ごめん」
でもそのあと――
小さく、つぶやく。
陽菜「……やっぱり、ちょっと遅くなってるなぁ」
湊「?」
陽菜は自分の手を見つめる。
陽菜「前はもっと走れたのに」
その言葉に、空気が変わる。
湊(心の声)
「……気づいてる」
陽菜は、ふっと笑って
すぐにいつもの明るい顔に戻る。
陽菜「でもいいや!」
陽菜「かくれんぼは失敗だけど!」
陽菜はノートを取り出して――
ペンで線を引いた。
『病院の中でかくれんぼする』
→(済)
湊「……それでいいのかよ」
陽菜「うん!」
陽菜「“できたこと”にした方が楽しいもん!」
その言葉。
どこか、強がりに聞こえた。
――その日の夕方
ベッドの上。
二人で並んでノートを見る。
陽菜「だいぶ減ってきたね」
ページの半分以上に
線が引かれている。
湊「……そうだな」
陽菜「ねぇ湊」
湊「ん?」
陽菜「さ」
少しだけ、真面目な顔。
陽菜「私ってさ」
一瞬、間が空く。
湊の心臓が大きく鳴る。
陽菜「……欲張りかな」
湊「……は?」
陽菜「やりたいこと、いっぱいありすぎてさ」
湊「……普通だろ」
陽菜「そっか」
でもその笑顔は、
どこか寂しそうだった。
陽菜「じゃあさ」
陽菜はページをめくる。
『夜の遊園地に行く』
『花火を見る』
『好きな人と帰る』
陽菜「これも全部やろうね」
湊「……ああ」
陽菜「絶対だよ?」
湊「……ああ」
陽菜は少しだけ
じっと湊を見る。
陽菜「……ねぇ湊」
湊「なに」
陽菜「もしさ」
また少し、間が空く。
でも――
陽菜はそれ以上言わなかった。
代わりに、笑う。
陽菜「ううん、なんでもない!」
湊(心の声)
「……言えよ」
「気づいてるなら」
でも――
陽菜は聞かない。
ただ、“今”を増やすだけ。
湊(心の声)
「……強すぎだろ」
「そんなの」
「ずるい」
陽菜「明日はこれにしよ!」
指さしたのは――
『好きな人と写真を撮る』
湊「……それも俺かよ」
陽菜「だめ?」
少しだけ、弱い声。
湊は目を逸らして――
湊「……いいけど」
陽菜「やった!」
その笑顔が――
どんどん、愛しくなっていく。
湊(心の声)
「……もう止まんねぇよ」
「好きだ」
でもその言葉は、
まだ言えない。
陽菜「湊〜!次これやろ!」
元気な声。
でも――
少しだけ、前より息が上がりやすくなっていた。
湊「……今日は休めって」
陽菜「やだ!」
即答。
陽菜「だって時間もったいないもん!」
その言葉に、湊の胸がズキッと痛む。
湊「……何するんだよ」
陽菜はノートを開く。
『やりたいことリスト』
陽菜「今日はこれ!」
指さした先には――
『病院の中でかくれんぼする』
湊「……は?」
陽菜「楽しそうじゃない?」
湊「怒られるだろ」
陽菜「バレなきゃセーフ!」
湊「それ前も言ってたな…」
でも――
その無理やりな明るさに
少し違和感を感じる。
湊(心の声)
「……前より、焦ってる」
でも、何も言えない。
――院内
陽菜「じゃあ私隠れるね!」
湊「はいはい…」
陽菜が走っていく。
でも――
少しだけ足取りが重い。
湊(心の声)
「……大丈夫かよ」
数分後。
湊「……陽菜?」
見つからない。
少し焦り始めた頃、
階段の踊り場で見つけた。
陽菜は座り込んでいた。
湊「……おい」
陽菜「……見つかっちゃった」
少し息を切らしながら笑う。
湊「……無理すんなって言っただろ」
陽菜「うん、ごめん」
でもそのあと――
小さく、つぶやく。
陽菜「……やっぱり、ちょっと遅くなってるなぁ」
湊「?」
陽菜は自分の手を見つめる。
陽菜「前はもっと走れたのに」
その言葉に、空気が変わる。
湊(心の声)
「……気づいてる」
陽菜は、ふっと笑って
すぐにいつもの明るい顔に戻る。
陽菜「でもいいや!」
陽菜「かくれんぼは失敗だけど!」
陽菜はノートを取り出して――
ペンで線を引いた。
『病院の中でかくれんぼする』
→(済)
湊「……それでいいのかよ」
陽菜「うん!」
陽菜「“できたこと”にした方が楽しいもん!」
その言葉。
どこか、強がりに聞こえた。
――その日の夕方
ベッドの上。
二人で並んでノートを見る。
陽菜「だいぶ減ってきたね」
ページの半分以上に
線が引かれている。
湊「……そうだな」
陽菜「ねぇ湊」
湊「ん?」
陽菜「さ」
少しだけ、真面目な顔。
陽菜「私ってさ」
一瞬、間が空く。
湊の心臓が大きく鳴る。
陽菜「……欲張りかな」
湊「……は?」
陽菜「やりたいこと、いっぱいありすぎてさ」
湊「……普通だろ」
陽菜「そっか」
でもその笑顔は、
どこか寂しそうだった。
陽菜「じゃあさ」
陽菜はページをめくる。
『夜の遊園地に行く』
『花火を見る』
『好きな人と帰る』
陽菜「これも全部やろうね」
湊「……ああ」
陽菜「絶対だよ?」
湊「……ああ」
陽菜は少しだけ
じっと湊を見る。
陽菜「……ねぇ湊」
湊「なに」
陽菜「もしさ」
また少し、間が空く。
でも――
陽菜はそれ以上言わなかった。
代わりに、笑う。
陽菜「ううん、なんでもない!」
湊(心の声)
「……言えよ」
「気づいてるなら」
でも――
陽菜は聞かない。
ただ、“今”を増やすだけ。
湊(心の声)
「……強すぎだろ」
「そんなの」
「ずるい」
陽菜「明日はこれにしよ!」
指さしたのは――
『好きな人と写真を撮る』
湊「……それも俺かよ」
陽菜「だめ?」
少しだけ、弱い声。
湊は目を逸らして――
湊「……いいけど」
陽菜「やった!」
その笑顔が――
どんどん、愛しくなっていく。
湊(心の声)
「……もう止まんねぇよ」
「好きだ」
でもその言葉は、
まだ言えない。


