オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

防波堤に出ると、視界がぱっと開けた。

夕方の海が、目の前いっぱいに広がっている。
太陽はもう低くて、海の上にオレンジ色の光を長く落としていた。

「……きれい」
キラキラと反射する海に思わず声がこぼれる。

何度も見たことがある景色のはずなのに。

なぜだか胸の奥がぎゅっとなって、涙が出そうになった。

こんなふうに海を見て、胸がいっぱいになるなんて、自分でも少し驚いた。

私は防波堤の端に腰を下ろす。

ざらざらした石の感触が、制服越しに伝わって、懐かしい気持ちになった。

久しぶりに座るはずなのに、その感触が落ち着く。

私は数回地面を撫でてから、絵日記を広げた。

鉛筆を走らせると、夕焼けの海の輪郭が少しずつ紙の上に浮かんでいく。

波の音を聞きながら、私はしばらく夢中で絵を描いていた。