オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

——あぁ、嫌だ。

途端に、胸がぎゅっと苦しくなる。

——嫌だ、忘れたくない……っ

涙がこぼれそうになった、そのとき。
ベンチの上に置いていた私の手に、そっと手が重なった。

視線を向けると、翼はそっぽを向いたまま、手を握ってくれていた。

その温もりに、視界が滲むほどの涙が溜まった。

「本当はね」

私は、涙が流れないように上を向いて押さえ込む。

「友達……ほしかったの」

三人の顔を、ゆっくりと見つめた。

「転校しても切れないくらいの、大好きな友達が」

人一倍気遣い上手な美咲。
楽しい空気を作り出してくれる健太。

そして——。
誰からも好かれる人気者なのに、とっても自信のない、優しすぎる翼。

——どうか、また、こんなふうに笑える日が来ますように。

そんな願いを込めて、私は言った。

「私と、友達になってくれてありがとう」

少し目を細めて、笑う。

「みんな、大好き」

その拍子に、ぽろっと涙がこぼれた。

「……え、えーーなに。やだ急に」

美咲が慌てた声を出す。

「私まで泣きそうなんだけどーー!」

そう言いながら、美咲は、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。

健太は照れくさそうに後頭部をかく。

「なんだよそれ……俺も大好きだぜー!」

そして——翼は、優しく微笑んでいた。

その三人の姿を見て、私は笑った。

やっぱり、過去を何度も繰り返したことに、後悔はない。

たとえこれが、友達と過ごす最後の夜だったとしても——。