オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

「あー、あっちぃ」

思う存分踊ったあと、ベンチに座った健太がはだけた甚平をぱたぱたとあおいだ。

「だらしなすぎでしょ」
呆れた声で言いながら、美咲が戻ってくる。

「はいこれ。汐莉の分」

手渡されたのは、かき氷だった。

「わあ、ありがとう!苺メロンだ〜」

赤と緑のシロップが混ざった氷を、スプーンですくう。

ひんやりした甘さが口の中に広がって、思わず頬がゆるんだ。

21時を過ぎ、少しずつ人が減ってお祭りの終わりを感じさせる。

切なくなる胸に手を当てて、私は小さく口を開いた。

「……私、この街に転校してきてよかったよ」

突然の言葉に、三人が目を丸くする。

「ずっとね……」

かき氷をしゃりしゃりとかき混ぜながら、私は続ける。

「どうせすぐ転校するし、友達なんていらないって思ってたの」

ピンクと緑に染まった氷が、溶けて混じり合っていった。

「でも本当は……引っ越しを言い訳にして、人と仲良くなるのが苦手な自分から逃げてただけだったの」

そこまで話したとき、三人が、真剣な顔で聞いてくれていることに気づいた。