オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

「……言えた」

神社の階段を下りてすぐにある駐車場まで走って、空いているベンチに腰を下ろす。

駐車場の真ん中には、大きなやぐらが立てられていた。

提灯の明かりがぐるりと円を描いて、その下では盆踊りが始まっている。

その円の中心で、いつの間にか、美咲と健太が元気いっぱいに踊っていた。

翼は、息を整えてから、ゆっくりと私の手を離す。

そして、その両手を空に向かって大きく伸ばした。

「あー、すっきりした!」
翼は、子供みたいに笑っていた。

さっきまで胸の奥に詰まっていたものを、全部吐き出したみたいに。

「汐莉、ありがとう」

そのスッキリした表情を見ていると、胸の奥がじんわり熱くなる。

込み上げてくる気持ちを押し込むように、私は首を小さく左右に振った。

「……ううん」

声が少しかすれてしまうけれど、バレないように目を細める。

「私も、嬉しい」

——本当に、心から、そう思っていた。