オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

腕の中の温もりが、まだ消えない。

私は、ゆっくりと落ち着いていく翼の呼吸音に耳を澄ましていた。

——もう、大丈夫かな……。

翼を刺激しないように慎重に腕の力を緩めるタイミングをうかがう。

——ピロン。

突然、スマホの通知音が鳴った。

二人同時に、びくっと肩が揺れる。

顔を見合わせて、思わず小さく笑った。

お互いに腕を離し、私たちは地面に座り込んだままスマホを確認した。

〈今どこ?〉
〈もう18時になるぞ〜〉

怒っているような、ぷくっと頬をふくらませた二人のツーショットを見て、小さく笑った翼に肩の力が抜ける。

スマホに映る時刻は、ちょうど18:00。

無事に、集合時刻を迎えられた。

やり切った体は緊張状態から一気に解き放たれて、小さく震えていた。

顔を上げると、翼と視線が合う。

さっきまで抱きしめられていたことを思い出して、胸がどきっとした。

恥ずかしくなって、私は慌てて俯いて。
翼も照れ隠しみたいに、「はは」と笑って、後頭部をかいた。